『言うことがいちいちキツ~イ人』との付き合い方
- 小林 紋子
- 2023年5月1日
- 読了時間: 5分

人のことを責めたり批判したり、やたら文句の多い人が身近にいるという話をよく耳にします。
その人が態度を改めてくれればそれが一番なんですけどね。
意外なほど当人は問題意識を持っていません。
そして、他人をコントロールすることほど骨の折れることはありません。
自分自身が『何を言われても気にしない、頭に来ない、動じない』タフな心を身に着ける方がよっぽど簡単。
『どうやってネガティブな感情が生まれるのか?』
その仕組みがわかれば、心を鍛える方法もわかります。
ネガティブな感情が生まれる仕組みを知る
きつ~い言葉をかけられてショックを受けたり傷ついたりしてしまったときは、まずその出来事を図式化し、客観的に観察してみます。
ちょっと練習してみましょう。
例えば、ある仕事を任されたAさんが、その仕事をはずれた先輩からこんな風に声をかけられたとします。
「こんなことしてて良いの?」「こんな調子で間に合うの??」
「・・・。(嫌味言われてるよ💦 私を責めても仕方ないでしょ😣)」
そう感じたAさんはとっさに受け答えができず、ただうつむいてばかり。
緊張と悔しさで身体はこわばり、手は汗でびっしょりになりました。
そして先輩が早く立ち去るのをひたすら待ち続けました。
この状況を図式化してみると、こんな感じになります ⇩⇩⇩

この図を見ると、【出来事】と【4つの要素】がそれぞれ影響しあっているように見えますね。
きつい言葉を言われたことそのものが悲しかったのではなく、その【出来事】に対して「責められてる💦」と捉えてしまったために悲しみが生まれた、ということがわかります。
何も言えず、ただうつむいたという行動をとったことが、さらにツラさを助長しているようにも見えます。
つまり🤔
【出来事】をきっかけに【感情】へと至る過程のどこかで捉え方を変えるアプローチができれば、同じ出来事に対して感じ方が変わるかもしれない!! ということ😆
このとき、『どこにアプローチするか』というのがけっこう重要なポイントになります。
ひとつひとつ検討していきましょう。
まず【出来事】についてですが、残念ながら「相手がきついことを言わなくなる」ことはなさそうです。
悔しいとか悲しいという【感情】そのものも 自分ではどうすることもできませんし。
身体がこわばるのや出てくる汗といった【生理反応】を自分で止めるというのもなかなか難しいお話。
一方、「責められてる💦」などとっさに浮かんできてしまう【思考】を自分で止めることはできませんが、「あせあせ💦」した後で「実は心配してくれてるのかも」とか「何か教えてくれるつもりだったのかな」と考え直すことはできます。
【行動】についても、とっさに何も受け答えできずうつむいてしまったけれど、その後お辞儀して感謝の意を表すことで気持ちは変わるかもしれません。
どうすればいいかわからなければ、思い切ってアドバイスをもらうという選択もできます。
このように【感情】をダイレクトにコントロールすることはできなくても、【思考】と【行動】にアプローチし、意識して変えていくことで変化は期待できます。
例えるなら『前輪駆動の自動車』のようなものですね。
前輪が動けば、後輪は同じ方向についてきます。
例えばこんな感じ ⇩⇩⇩

思考と行動にアプローチする方法はたくさんありますが、まず『自分の心』を守ることから始めましょう😆
何を言われても ダメージを受けない『シールド』をつくる!
気をそらす方法
1. コーピングマントラ
ネガティブな感情に飲み込まれそうになったときに、自分の中で呪文(マントラ)を唱えることで、自分を落ち着かせる方法です。 コーピングは対処の意。
例えば「全然大丈夫♪」「いい勉強になる」「たいしたことない」「明日には忘れてる」など。
傷つくことを言われて落ち込みそうになったときは、「悪気があるわけじゃないのかも」「相手の本心は聞いてみなければわからない」「ただ落ち込むだけでは前進しない」など。
言葉でなくても、子供の名前、ペットの名前、好きな食べ物 を呪文のかわりにしてもOK。
ストレッチしたり、首をゆっくり回したり、深呼吸 などの動作もOK。
気持ちを落ち着かせたり、心の痛みを和らげるものであれば、何でも効果があります。
自分に向けて、目の前の感情を気付かせる合図を送ってください。
☝いつでもすぐ使えるよう、前もって考えておきましょう。
2. グラウンディング
「あの時、あの人にあんなことを言われた」と思い出したり、
「次、会ったらなんて言おう!」なんて【思考】が過去へ未来へ行ったり来たり・・・。
好きでもない相手のことでいつも頭をいっぱいにしてしまっていたらもったいないデスよ。
思い出せば思い出すほどネガティブな感情はパワーアップしてしまいます。
そんな時は、目の前にあるものを観察することに集中して、強制的に『現在』に意識を戻しましょう。
例えば『今』目の前にあるペンを手に取り、観察します。
真剣にじっくりと観察してください。
ペンの色、インク量、傷がついていないか、ロゴが何か書かれていないかなど、じっと観察することに集中します。
ペンでなくても、携帯電話、パソコン、ノート、デスクに飾ってある大切な人の写真などもいいですね。
意識を『今、この場所』に固定してしまえば、余計なことに囚われることもなくなります。
繰り返し練習しましょう。
慣れるまでは「観察している間はうまく集中できたのに、止めるとすぐに嫌なことを思い出したり、相手に仕返しすることばかり考えてしまう」こともあるかもしれません。
練習を続けるうちに、短時間で気持ちの切り替えができるようになり、一度意識が『今、この場所』に戻ったら、その状態を保つことも可能です。
【タイミングに注意】
『声をかけられた』タイミングで平常心を保つのが難しいときには、その場で行うのも良いと思います。
ただ、人によっては「聞き流されている」「相手にされていない」と感じ、更に怒らせてしまうこともあるかも💦
できれば、その場は『真摯に耳を傾ける(振りだけでも😅)』のが平和です。
「きつ~い言葉」を全て受け止めることはありません。防御態勢をとる必要も。
目指すは ナメコ🍄のぬるぬる。
攻撃から身を守ることなく、よけることなく、跳ね返すことなく・・・
ぬるっと受け流す。これが何より😆
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